一般的に、「土木施工管理はきつい」というイメージを持たれがちです。しかし、社会生活の基盤を作り上げていく仕事だからこそ感じられるやりがいが大きい上に、収入面での待遇も良いため、非常に魅力のある仕事であると言えるでしょう。この記事では、土木施工管理の仕事がきついと言われる理由や土木施工管理の仕事に向いている人の特徴を解説します。ぜひ参考にしてください。
土木施工管理技士がきついと言われる6つの理由
土木施工管理技士がきついと言われる理由は6つあります。
- 天候に左右される業種だから
- 休日が少なく残業が多いから
- 現場の人間関係にも気を遣うから
- 転勤や出張が多いから
- 公共工事は書類が多いから
- 体力が求められるから
順に解説していきます。
1.天候に左右される業種だから
土木施工管理は建築工事と異なり、屋根のない環境での作業が一般的です。したがって、悪天候によって工事が中断されることもあります。このような天候に左右される状況は、土木施工管理ならではの課題だと言えるでしょう。さらに、天候による工程の遅れを取り戻すための休日出勤も珍しくなく、工期ギリギリまで仕事に追われることもあります。
2.休日が少なく残業が多いから
土木施工管理の仕事は、残業が多くなりがちです。業務の性質上、工期や現場の進捗状況に応じて残業が必要とされることもあり、労働時間が大きく変動します。さらに、人手不足や思わぬ事故や設計ミスなどの理由により、残業や休日出勤が避けられない場合もあります。
※しかし、近年では法律の改正によって、これらの問題は解消されつつあります。
3.現場の人間関係にも気を遣うから
土木施工管理の仕事では、人間関係からくるストレスをより感じやすいです。現場の管理全般を担当するため、気難しい職人や発注者、元請け、下請け、施主といった様々な関係者とのやり取りを行わなければなりません。
工期ギリギリで余裕がないため、ストレスの多い状況下で仕事をこなさなければならず、きつい言葉を受けることもあります。また、転勤が多く、新たな人間関係を築く必要があるため、ストレスが増大します。このような状況から、土木施工管理者は人間関係に関連するストレスをより強く感じやすいのです。
4.転勤や出張が多いから
建設業界の特徴の一つとして、転勤や出張が多いことが挙げられます。建設業は工事が始まってから完成するまでが一つの仕事となるため、勤務地は仕事が終わると次の現場へ移動することになります。
工期が終われば次の現場へ移ることが一般的であるため、結果として転勤や出張が頻繁に発生するのです。特に広範囲な仕事を受注する大手企業では、転勤や出張の頻度が増え、工事の性質によっては長期間の移動もあります。
5.公共工事は書類が多いから
土木施工管理の仕事は、担当する工事の性質上、公共工事の割合が多くなります。国や地方自治体からの発注が主であるため、作成する書類が非常に多いです。
さらに、設計や仕様の微細な変更でも書面の提出が必要となる上、役所の調査が入ることもあります。そのため、労働時間が定時を超えることも増えがちです。
6.体力が求められるから
施工管理技士は、現場において力仕事や体を動かす作業を行うこともあります。また、休日を返上したり残業があったりと、体力勝負の場面も出てくるでしょう。
屋外作業が基本の土木工事では、夏の暑さや冬の寒さを直接受けるため、体力が求められます。さらに、日中の作業が主体であるが、日中に作業ができない場合は夜間工事に従事することもあります。
夜間工事に参加すると生活リズムが乱れやすくなるため、慣れないうちは体に負担がかかると感じる人もいるかもしれません。
土木施工管理の仕事のやりがい
土木施工管理の仕事は、時にネガティブなイメージを持たれがちですが、他の職種では得られない多くのやりがいを感じることができる素晴らしい仕事でもあります。
この章では、土木施工管理の仕事のやりがいポイントを4つ紹介します。
- 公共性が高く地域に貢献できる
- 経験に見合う給与が得られる
- 転職に有利である
- 工事が完成したときの達成感を得られる
順に解説します。
転職に有利である
土木施工管理の担い手は、業界内での需要や将来性が高く、転職に有利です。建設業界では高齢化が進み、人手不足や担い手不足が問題となっています。
加えて、高度経済成長期に建設された施設の老朽化や防災・減災の需要が高まる中、修繕改修工事の需要も見込まれます。若年層が土木施工管理技士の資格を持っていれば、その存在は大いに重宝され、好条件の会社選びにも有利になるでしょう。
公共性が高く地域に貢献できる
土木施工管理の仕事は、地域への貢献を実感しやすい職種です。主に国や地方自治体による公共工事に携わり、道路やトンネル、鉄道、水道などのインフラ工事に関与します。これらの大規模なプロジェクトに携わることで、進捗や成果が目に見えて実感できるため、達成感を得ることができます。
比較的高い給料を得られる
土木施工管理技士は高い給料を得られる職種の一つです。資格や経験によって異なりますが、土木施工管理技士の年収は全国平均で573.2万円*である、というデータがあります。
これは令和3年の平均給与である443万円**を上回る水準にあり、技術力によっては若年層でも高収入を目指せる職種です。労働環境は厳しい一方で、労働時間に応じた給与を得られるうえ、多様な経験を積むことができます。また、建設業界では大規模工事に携わるほど年収が高くなる傾向があり、コツコツと実績を積み重ねれば、より高収入や大規模プロジェクトに関わる機会が得られるでしょう。
*参考:厚生労働省|職業情報提供サイト「土木施工管理技術者」
**参考:国税庁|令和3年分 民間給与実態統計調査
工事が完成したときの達成感を得られる
土木施工管理は一つの現場において、工事の計画から完成まで一貫して携わります。この過程で数々の関係者をまとめる苦労もありますが、工事が完成したときの達成感は土木施工管理ならではの醍醐味です。関係者との慰労会やお互いを労う様子もあり、関係者の調整には難しさもありますが、多くの人とコミュニケーションを取る楽しさも味わえます。
土木施工管理の仕事に向いている人
土木施工管理の仕事に向いている人の特徴は以下の通りです。
- もの作りが好きな人
- 先を見据えて計画が立てられる人
- 他人とコミュニケーションをとるのが苦にならない人
- 色々なところへ行くのが好きな人
公共事業に携わり、多くの人の役に立つ土木施工管理の仕事は、もの作りが好きな人にとって絶好の選択肢です。計画性とコミュニケーション能力は欠かせず、工期までに安全に仕事を終わらせるためには適切な指示が必要です。
さらに、上から下までさまざまな人と連携しながら工事を完成させる必要があります。出張が多く、各地の美味しいものを楽しめる特典もあるため、知らない土地へ行くのが好きな人にとっても魅力的な仕事であると言えます。
まとめ
土木施工管理技士の仕事は確かに容易ではありませんが、大規模な工事を成功裏に終えた際の達成感は非常に大きいと言えます。また、高い給料や将来性も魅力的なポイントです。
2024年4月から導入される「長時間労働の上限規制」の法律やITツールによる業務効率化が進んでいるため、労働環境の改善も期待できます。土木施工管理の仕事は人手不足によって需要も高く、資格取得によるキャリアアップも見込めるため、非常に将来性のある業種です。社会貢献に直結する仕事に就くことで、仕事に誇りを持てることも、土木施工管理の魅力だと言えます。
人気記事
Popular Articles
2024.05.08
- コラム
- Indeed
- 新卒採用
- 中途採用
建築施工管理技士補とは?監理技術者不足を解消する新資格を解説
建築施工管理技士補とは、技術者の人手不足を背景に新設された資格です。 この記事では、建築施工管理技士補の資格について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
Read More
2024.03.26
- コラム
- Indeed
- 新卒採用
- 中途採用
土木施工管理の仕事はなぜきつい?きついと言われる理由と向いている人の特徴を解説
土木施工管理の仕事がきついと言われる理由
土木施工管理の仕事に向いている人の特徴
Read More
2024.07.10
- コラム
- Indeed
- 新卒採用
- 中途採用
- 派遣
発注者支援業務は本当に激務?メリットとデメリットを徹底解説
発注者支援業務は、一般的な建設業務と比較して必ずしも激務とは言えません。むしろ、安定した労働環境で魅力的な職種だと言えます。この記事では、発注者支援業務の実態や特徴、メリットとデメリットを解説します。
Read More